第4章 談話室の外で

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第4章 談話室の外で

    次のニュースです。 今月○日にA市の小学生、安達璃子ちゃんが自宅で何者かに殺害された事件で、警察は同じ日に璃子ちゃんの自宅前で倒れ、意識不明となっていた会社員、崎田一貴さんが意識を取り戻したと発表しました。 璃子ちゃんは殺害について関連がないか、また事情を知っているものとみて、回復を待っていました。 それに対し、崎田さんの証言からーー。 ◇◇◇◇◇◇◇ 報道のアナウンサーから、ワイドショーのスタジオへとカメラが切り替わった。 司会MCの苦笑いと神妙な表情のゲストコメンテーターがテーブルに並んで、事件の続報を聞いていた。 「いやぁ、まさかの展開に我々報道各社も驚きを隠せません。コメンテーターの皆さん、いかがですか?」 MCが促すように話を振ると、ネットに強い文化人枠のタレントがまず語り始める。誰かがキッカケを作れば、あれこれと話しやすくなるのはいつの時代も変わらない。 「ここまで彼は容疑者扱いでしたからね。 ネット上では複数犯の仲間割れだの、狂言自殺だの、色々な推理が拡散されていましたし」
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