赤紙

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口で人格否定されるのにすぐ慣れた。身体的な暴行も日時茶飯事だ。自殺者を出すほど酷いのに、悪口一つ言えないのだ。平和な時代からは、尋常じゃないと言われる事なのにそれを当然だと思わされていた。 そして、僕たちの部隊に出航命令がきた。南の島へ行けとの命令には逆らえない。僕たちは船に乗って何日もかけてその島へ行った。 島に上陸すると、キャンプを陣営した。これが基地となる。ここを起点に島を征服せよというのだ。この島は、干潮になると陸続きになる。そこから、敵国の陣営を破壊してその土地を奪えという命令がいつでも来るようになっている。 とりあえず、僕たちは周りの木を切って、それで小屋を建てた。そこが、会議室や食堂として使われるのだ。それを建て終わると、別の小屋を建てた。そこが医務室となる。病気や怪我をしたらそこで診察・看病することになる。それも建て終わると、自分たちが寝る小屋を建てた。便所は、穴を深く掘った所に筵をかけることにした。用便をすると土を被せて、穴が完全に埋まったら別の所に穴を掘るつもりだ。雨水を濾過した水はタンクに入れて生活設計ができた。 僕たちは、基地の整備が整うとドラム缶の蓋を取り除いた五右衛門風呂入って体を休めた。風呂の残り湯も洗濯や皿洗い、用便の後の手洗いに使える。飯を食ったら床についた。     
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