1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
雨の日
ダイジョウブーダイジョウブー
ザーザーとうるさい雨音を脳内で言葉に変換してやり過ごせると思った。
気だるい身体をベッドからひき剥がして、古い机の引き出しの奥底にしまった煙草を探す。
「やっぱ……だめだな……」
湿気た煙草を握りしめ、ため息をつく。
人の気配のない古民家シェアハウス。午後4時。みんな仕事や学校に行っている時間だ。僕は縁側に腰掛け、公共の場での禁煙のルールと煙草に火をつけ燃やした。
ダイジョウブーダイジョウブ
「はぁ……」
ため息は出てもうまく空気を吸えている気がしない。貧血の前触れの様に冷たく震える指先。
ダイ……ジョウブ……じゃない……今日はだめだ……
最初のコメントを投稿しよう!