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順平はその日から一日置きに毎回博士の指示通り、薬を服用した。朝起きて体温を測り、健康状態を確認して、服用後の状態の変化を毎回チェックして書類に細かく書き記していった。
体に変化が現れたのは服用を始めてから2週間後のことだった。
朝、目が覚めてベッドから立ち上がると自分の部屋に居るにもかかわらず、映る景色に違和感があることに気がついた。
家具との距離感、目線の高さ、はっきりと変化を感じとったわけではないが、何かが違う。これはもしやと思い身長を測ってみると、7㎝も伸びていた。
「もしもし博士ですか?もしもし?」
すぐさま博士に報告し、健康状態に問題ないことを伝えると、順平はベッドの上で飛び上がった。
治験を終えるころには15cmまで身長が伸び、どこからどう見ても立派な男性の身長になっていた。
次に順平が大学の研究室を訪れたとき、心なしか自信がついたような順平の姿を見て、博士も自分のことのように喜びホッとしたような笑みで感謝の言葉を口にした。
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