0人が本棚に入れています
本棚に追加
それからというもの順平の見える世界は大きく変わっていった。
傍から見ればほんの少しの変化だが、それは順平のまわりの世界をも変えていった。
あれだけ出来なかった彼女も、すぐに出来た。
女性の方から自然に寄ってきたわけではなく、順平が一目ぼれをしてアタックした結果なのだが、愛嬌のある美人で黒くて長い髪に似合わない童顔の女性だった。
音大でヴァイオリンを学んでおり、将来はヴァイオリニストとして世界で活躍したいと夢を語っていた。
コンサートではドレスを身にまとい、ヒールを履いて演奏することもある彼女だが、それでもまだ順平の方が頭1つ分高く、彼女はそのまん丸な瞳でいつも順平を見上げるのだった。
身長さえ伸びればなにもかもが上手くいく。そう思っていた順平の予想はやはり当たっていた。
最初のコメントを投稿しよう!