29人が本棚に入れています
本棚に追加
デザートを食べ終えた私達は、
店内を出て車へと向かう。
「向こうの隅の方に停まってる、
黒いセダンが僕達の車だよ。」
武尊さんが、
私達の車を停めた方向を指差して、
東木君に笑顔で言う。
「多分アレだね!」
私達の車を指差して聞く東木君に、
笑顔で私は頷いた。
車へ駆け出す、
東木君の背中を見ながら歩く。
歩きながら担当の刑事さんへ、
連絡しておこうと思いスマホを取り出した。
そのスマホを武尊さんに無言で取り上げられた。
「・・・武尊さん?」
驚いて武尊さんを見る。
「黙って歩け・・・。」
無表情でそう言った武尊さんに、
恐怖を感じて言われるがままに歩く。
私達の車の側に、
見知らぬ女性が近付いて来た・・・。
誰・・・?
「東木・・・、
その女にお前のスマホを渡せ・・・。」
武尊さんの声を聞き、
振り向いた東木君は、
悲しそうに目を伏せた。
私の喉元に・・・、
ナイフが突き付けられているのを見たからだ!
武尊さんが何でこんな事をするのか、
理解できない私は呆然としていた・・・。
「囃音さん・・・じっとしてて・・・。
大丈夫だから。」
東木君は、
私に笑顔でそう言った・・・。
最初のコメントを投稿しよう!