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助手席に座って、
「初めまして・・・、
十三番目の魔女ユッキーネこと、
根川幸音よ。」
振り向いてそう言った顔に浮かんだ笑みからは、
冷たさしか伝わって来なかった。
「情けは人の為ならずって、
そう言う意味だったのね。
・・・知らなかったわ。
後で動画とコメ消しとかないとね。
・・・でも詰めが甘いわね名探偵君。
私が魔女だって判ったなら、
もう少し深く考えないとダメよ。
再生回数を上げたいからって、
それだけでこんな手の込んだ事しないわ。
早太が死ぬ事で囃音の手元には、
多額の賠償金が残るのよ。
それを狙ってるハイエナが居るのかも・・・?
それぐらいの事までは想像しないとダメね。
そこまで想像が及んでたら・・・、
もう一人の魔女は武尊だって、
正解にまで辿り着けてたのに・・・、
残念だったわね・・・。」
嘲笑うように根川はそう言って、
正面を向きシートベルトを締めた。
武尊さん・・・、
いやもう一人の魔女が車を発進させた。
「僕は・・・信じてたんだ。
・・・武尊さんはそんな人じゃないって。」
独り言を言うように、
東木君は力無く呟いた。
「アハハハッ!
流石は元ホストね!
女だけじゃなく男の子まで、
コロッと騙しちゃうなんて!アハハッ!」
根川が楽しそうに笑いながら言った。
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