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「物件探し・・・?
何でそんな物探してたの?」
東木君がさらに聞くと、
「ある物を埋める為によ・・・。」
根川が静かにそう答えた後、
「そこの部屋に入って。」
そう続けて言った。
言われて入った部屋はかなりの広さがあった。
真ん中くらいまで来た時に、
根川が話し出した。
「ここね・・・近々取り壊して、
高級老人ホームにするんだって・・・、
アンタ達には・・・、
そこの人柱になって貰うわ・・・。」
人柱・・・?
驚いて振り向き根川を見た!
その顔は口元だけが歪んでる、
氷のような冷たさの笑顔だった!
「ひ・・・東木君だけは殺さないで・・・。」
震える声で根川に懇願する・・・。
「そうねぇ・・・良いわよ・・・。」
あっさりと根川はそう言ってくれた。
そして東木君の方へ顔を向けて、
「名探偵君・・・、
アンタが囃音を殺しなさい・・・。
その後で死体を埋めるのを手伝うのよ。
そうすればアンタの命は助けてあげるわ。」
根川は冷酷にそう言った。
鬼だ・・・。
この女は鬼だ・・・。
でも・・・東木君は助かる・・・。
私は精一杯の笑顔で、
「東木君・・・、
遠慮しないで私を殺して!」
そう・・・言った。
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