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「手錠・・・外して・・・。」
東木君が静かに・・・、
根川に向かいそう言った・・・。
「判ったわ・・・。」
根川は満足そうな笑みを浮かべて、
東木君に近付き手錠を外す。
「ナイフは貸さないわ・・・、
ナイフを手に入れて、
アタシ達に向かって来るつもりだったんでしょうけど、
・・・そうはさせないから。
そこに落ちてるロープで首を締めるのよ。」
冷静に冷たくそう言う根川。
東木君は、
それを考えてたのかも知れないけど、
根川はそれまでも読んでいた・・・。
もう・・・私が殺される以外に、
東木君を助ける方法は無い。
東木君は黙ってロープを拾う・・・。
そう・・・それで良いのよ・・・。
「東木君・・・、
私・・・後ろ向くから・・・。
気にしないで首を締めてね!」
笑顔でそう言って・・・、
私は後ろを向いた。
「無理だよ・・・、
僕には出来ないよ・・・。
囃音さんを殺すなんて・・・、
誰にも出来ないんだから。」
後ろでそう言う東木君に、
「出来ないならアンタも殺すしか無いけど、
・・・死にたいの名探偵君?」
強い口調で根川が言う。
「だって無理なんだよ!
囃音さんを殺す事は、
誰にも出来ないんだ・・・。
だって囃音さんは・・・、
早太さんに護られているんだからなっ!」
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