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助けてもらった御礼として、
東木君が行ってみたかったと言っていた、
トワル・ダ・ガコへ皆を御招待した。
実は私も初めてだったりする・・・。
高級レストラン等とは、
縁遠い生活を送ってきたので、
かなり緊張していたりする・・・。
東木君の友人達も、
緊張した面持ちで口数も少ない。
そんな中・・・、
「皆そんなに緊張してたら、
料理の味なんて判らないわよ。」
真璃さんが口を開く。
「でも先輩・・・。
テーブルマナーとか全然知らないし～。」
困り顔で九条さんが言うと、
「料理は楽しむ物なの。
仲間内なんだからマナーなんて、
そこまで気にしなくて良いのよ。
簡単な物なら判るから、
私がその都度教えてあげるわ。」
こうして真璃さんのテーブルマナー講座が始まった。
真璃さんの仕草を見様見真似しながら、
運ばれて来る料理を黙々と食べる。
やがて皆の緊張も解けてきて、
談笑しながらの楽しい御食事会となった。
皆との会話も弾んできた所で、
「ところで皆にお願いがあるんだけど・・・。」
私は遠慮がちにこう切り出した。
「何？囃音さん？」
東木君がそう聞いてきてくれる。
「あの車を貰ってくれないかな？
武尊が使ってた黒のセダン。」
私は、
私が出来る精一杯の事を言った。
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