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「兄さんがワザワザ永豪まで出向いて来て、
食事に誘うからには、
何か有るとは思ってたけど・・・。
一体、何をさせる気なの?」
「パソコンのロック解除じゃ。」
「はぁ?
・・・そんなの自分でやんなさいよ。」
「ワシは明日からシンガポールなんじゃ。」
「今日行けば良かったじゃない?」
「今日頼まれたんじゃ!」
「頼まれた?誰に?」
「十三番目の魔女の被害者の妹さんじゃよ。」
「もしかして・・・、
唯一殺された人の?」
「そうじゃ・・・、三番目の被害者じゃ。
お兄さんのパソコンの中身を見たいのじゃそうな。」
「・・・十万よ。」
「高過ぎじゃ!」
「それじゃ二十万円にしてあげるわ。」
「何で倍になるんじゃっ!」
「私に逆らった罰よ・・・。
払わないなら断るだけよ。
業者に頼んだ方がお得よ。」
「そう言う訳にもいかんのじゃ。
ワシ達が開発した、
音声認識ソフトを使っておられたからの~。
技術流出は避けたいんじゃ。」
「兄さん達が開発した?何で?」
「昔・・・、
狭いアパートでワシと高橋と星井が、
サイネクスを立ち上げたばかりの頃じゃ、
隣の部屋に住んで居られたのが、
田切さん御家族じゃった。」
「田切さん・・・、
被害者は確かお兄さんだったかしら?」
「そうじゃ兄の早太さんが、
殺されたんじゃよ。」
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