高級レストラン『トワル・ダ・ガコ』

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事故(じこ)全身(ぜんしん)マヒになって、  自宅(じたく)療養中(りょうようちゅう)だったって、  新聞(しんぶん)()んだわ。」 「母親(ははおや)()せてドライブ(ちゅう)に、  信号無視(しんごうむし)のトラックが()()んで()たんじゃ。  母親(ははおや)即死(そくし)・・・、  早太(そうた)さんは(くび)をやられたんじゃ。  それが原因(げんいん)全身(ぜんしん)マヒになっての、  父親(ちちおや)がおらなんだのでな、  それから(いもうと)囃音(はやね)さんが、  看病(かんびょう)しておられての。  ワシ(たち)はかなり御世話(おせわ)になっとったからの~、  早太(そうた)さんは(はな)(こと)出来(でき)たからの、  それで恩返(おんがえ)しに音声認識(おんせいにんしき)のソフトを(つく)って、  それをインストールしたパソコン一式(いっしき)を、  プレゼントしたんじゃ。  その(えん)でな・・・、  ワシに囃音(はやね)さんが(たの)んで()たのじゃ。」 「・・・事情(じじょう)(わか)ったわ。  二十万円(にじゅうまんえん)・・・、  ()()えておくから()()んでおいてね。」 「やってくれるのじゃな?」 「凛斗(りんと)(にい)さんに()てるのか・・・、  興味(きょうみ)()てきたわ。」 「ああ、それは大丈夫(だいじょうぶ)じゃ。  このUSBメモリーを使(つか)えば・・・。」 「()らないわ。」 「えっ?」 「()ったでしょ?  勝負(しょうぶ)興味(きょうみ)があるって。」 「・・・(わか)った。」
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