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「兄の代理で参りました。
妹の真璃と申します。
・・・この度は御愁傷様でした。」
「田切囃音です。
御無理を言いまして、
申し訳御座いません。」
「婚約者の白城武尊です。」
「では早速始めさせて頂きますね。」
そう断りを入れて、
外で待たせていた凛斗を中に入れた。
「東木凛斗です。」
そう言ってお辞儀をする凛斗。
コミュ障は克服しつつあるわね・・・。
「パソコンは何処ですか?」
「あ、こちらです。
遺品整理してたので、
足下に気を付けて下さい。」
囃音さんに奥の部屋へ案内された。
布団が片付けられて剥き出しになった、
介護用ベッドの脇の床の上に、
直接パソコンが置かれていた。
「じゃあ始めますね。」
凛斗はそう言って、
そのパソコンの電源を入れて、
自分のノートパソコンとコードで繋いだ。
「パスワードの解除出来るんでしょうか?」
囃音さんが不安そうに聞くので、
「大丈夫ですよ。」
と私が答えた途端に、
「解除出来たよ~。」
凛斗が言った。
「早っ!」
「早っ!」
「早っ!」
皆が素で驚く!
「でも真璃さん変だよコレ。」
「変?」
「うん。
音声認識のパスワードじゃ無くてさ~。
普通に手入力のパスワードで解除出来たんだ。」
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