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「・・・確かに変ね。」
草太さんは全身マヒのはずよね・・・。
音声認識を手入力に切り替える、
必要なんて無いわ。
囃音さんがパソコンの電源を入れて、
パスワードを手入力していたのだとしたら、
兄さんに解除を頼む必要は無い。
「あ、手入力だったんですか?
私、兄がマイクで解除してたから、
てっきり声じゃないと開かない物だと、
思ってました。」
そう言って照れて赤くなる囃音さん。
「普通は音声認識の解除なら、
手入力自体出来ないんだけどな~?」
凛斗はそう呟き首をひねっている。
「警察が持って行った時、
設定を変えたんじゃないのか?」
白城さんがそう言うと、
「あ~!そう言う事か!」
凛斗が納得したように言った。
「それじゃ~、終わりましたんで、
パスワードは解除したままに、
設定しときましたから、
何時でも見れますからね~。」
そう言いながらノートパソコンを外して、
立ち上がる凛斗。
「ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
囃音さん達が、
そう言って頭を下げた。
「ん?・・・このノートパソコンは?」
凛斗が足元のダンボールの上に置いてある、
ノートパソコンを指差して聞く。
「あ・・・、
兄が事故の前に、
使ってた物なんです。
さっき押入れから出したんですよ。」
囃音さんがそう説明してくれた。
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