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『寝てる間に死ねるんだな・・・。
そこまで俺の事を考えてくれて、
本当にありがとう!』
『全テノセッティングハ終ワッテルカラ、
後ハ君ガコノスイッチヲ噛メバ、
君ノ願イハ叶ウヨ・・・。
最後ニ聞イテオクケド本当ニ良イノカ?
今止メテモ何モ問題ハ無イヨ。
妹サンノ為ニ死ヌ事ハ無イヨ。
寧ロ君ガ生キテル方ガ妹サンノ為ダ。』
「私の為・・・?何で?
何で死ぬ事が私の為なの?」
囃音さんが呟く・・・。
『いや・・・、俺が死ななければ・・・、
囃音は幸せになれないっ!』
『婚約者ノ両親ガ結婚ニ反対ナンダッテネ?』
「だからっ!僕が必ず説得するって、
・・・言ったじゃないですかっ!」
白城さんが絞り出すように、
声を上げる。
『あちらの御両親を恨む気持ちは無いよ。
俺が逆の立場でも絶対に反対するからね。
俺が消えるのが囃音の・・・、
皆の幸せに繋がるんだ。』
「そんな訳ないじゃない!」
そう言った囃音さんの目から、
一筋の涙が零れ落ちた。
『シカシ・・・、
事故デ君ガ生キ残ッタ意味ヲ考エルト、
君ガ生キ続ケル事ハ、
神カラ与エラレタ権利ト言エル。』
『神から与えられた権利?』
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