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『ソウ・・・、例エバ鳥ガ空ヲ飛ベルノハ、
神ニ空ヲ飛ブ権利ヲ与エラレタカラダ。
人間ニハソノ権利ガ与エラレテ無イカラ、
自力デハ空ヲ飛ベ無イ・・・。
ソノ代ワリニ知恵ヲ使ッテ物ヲ作リ、
ソレヲ使ッテ空ヲ飛ブ権利ハ与エテクレタ。』
『何が言いたいんだ?』
『ウ~ン・・・、要スルニダ。
与エラレテ無イ権利ヲ、
行使スル事ハ出来ナイッテ事ダヨ。
君ガ事故デ生キ残ル事ガ出来タノハ、
神ガ生キ続ケル権利ヲ、
君ニ与エテクレタカラダ。
ソノ権利ヲ放棄スルノカ?』
『こんな身体にされたのは何の権利なんだ?』
『・・・ソレハ。』
『こんな身体で生き残るくらいならっ!
そんな権利は要らないっ!
俺がこんな身体で生き残らなければっ!
囃音は武尊君と結婚してっ!
幸せになれたんだっ!
それなのにっ!
それなのにっ!
それなのにいっ!
俺は囃音から母さんを奪ったうえにっ!
幸せまで奪ってしまうっ!
それが俺には耐えられ無いんだよっ!』
早太さんの慟哭が響く。
「違うよ!お兄ちゃん違うよっ!」
囃音さんが涙声で叫ぶ。
『与えられて無い権利は、
行使出来ないと言ったよなっ!
生き続ける事が、
神から与えられた権利と言うのなら、
死を選ぶ事も、
神から与えられた権利だっ!
そうだろっ?』
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