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『決心ハ変ワラナイヨウダネ。』
そう言って十三番目の魔女は、
スイッチを早太さんの口へ運ぶ・・・。
「やめてよっ!やめてっ!お願いっ!
お兄ちゃんダメっ!
誰かお兄ちゃんを止めてっ!
お願いっ!誰か止めてよおっ!」
囃音さんが泣き叫ぶ!
しかし誰にも止める事は出来ない・・・。
時間を巻き戻す権利は誰も、
神様から与えられてはいないのだから・・・。
『囃音・・・、
お兄ちゃんは囃音の幸せを、
空から見守っているからね・・・。
いつまでも見守ってるから・・・。』
そう言って早太さんはスイッチを噛んだ・・・。
『君ガ眠リニツクマデ傍ニ居テアゲル・・・。』
『ありがとう・・・。』
・・・動画はそこで終わった。
「クソおっ!」
そう叫んで凛斗は、
早太さんが死ぬ前まで使っていた、
兄さん達が贈ったパソコンに、
自分のノートパソコンを再び繋いで、
操作し始めた。
「何をする気なんだ?」
武尊さんが聞く。
「早太さんはコイツと、
パソコンで連絡を取ってたはずだよっ!
だからっ!それを見付けて正体を暴くっ!」
キーボードを叩きながら凛斗は答えた。
「無駄だよ・・・、
そんな物が残ってたら・・・、
警察が見逃すはずが無いよ。」
武尊さんが否定するように言う。
「そんなのやってみなきゃ判んないよっ!」
凛斗が反論するように叫んだ。
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