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「わ~っ!何これ?
スゲーッ!カッコイ~じゃんっ!」
加奈子のテンションが何故か上がっている。
「あ、それ?
卒業した先輩の置き土産・・・、
と言うか粗大ゴミよ・・・。」
素っ気無くそう答えた先輩。
「え~っ!
このヒーロースーツ完成度激高じゃんっ!
これが粗大ゴミなの~?」
加奈子がそうベタ褒めしてるのは、
日曜日の朝にテレビでやってる、
戦隊ヒーローが着ているような、
着ぐるみだった。
「そう言えばオルワイネは、
スーツアクター志望と言ってたな?」
守屋の問い掛けに、
「うんっ!そうだよ~!
こう言うの着たかったからさ~!」
子供のように、
目をキラキラさせて答える加奈子。
「良かったら持って帰って良いわよ。
誰もヒーロー物なんて撮らないから。
引き取って貰えると助かるわ。」
「え~っ!貰って良いの真璃っ?
サンキュ~!
この段ボール貰って良いかな~?」
返事を貰う前に、
嬉しそうに段ボールに詰め始める加奈子。
「空いてるのなら良いわよ。」
「んじゃ、メットとスーツ分けて入れとこ~。」
「ちょっと加奈子っ!
アンタ全部持ってく気なの?」
大きめの段ボールに全種類のスーツを、
詰め始めた加奈子に慌てて聞く私。
「当然だよ詩夜璃~!
全部揃ってないと意味無いじゃん!」
そう言って親指を立てた加奈子。
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