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「私のせいでお兄ちゃんがお兄ちゃんが・・・。」
声を上げて泣き出す囃音さんに、
「違います!囃音さんのせいでは無いです!」
そう否定する私の声も泣き声になる。
「私があの日・・・、
武尊さんの所に行かなければっ!
お兄ちゃんは死ななかったのにっ!」
「違うっ!
早太さんが僕に頼んだからだっ!
ヘルパー頼んだから、
囃音とデートしてやってくれって、
僕に早太さんが頼んだからだっ!」
「あの日・・・、
お兄ちゃんの言ってたヘルパーが来るまで、
私が待ってればっ!
お兄ちゃんの言う事聞かないで、
ヘルパーが来るまで待ってればっ!
お兄ちゃん馬鹿な事するの・・・、
諦めたかも知れないのに・・・。」
「囃音っ・・・、君は悪くないっ!」
白城さんは囃音さんを、
そう言って抱きしめた・・・。
「私・・・、
心の何処かで思ってたのかも・・・?
お兄ちゃん死んじゃえって・・・。
私思ってたのかも・・・?
お兄ちゃんそれを見抜いてたんだ・・・。
だからっ!自殺しちゃった・・・。」
「違うっ!
囃音のせいじゃ無いっ・・・。
囃音・・・、結婚しよう。
・・・それが早太さんの望みだ。
・・・式は無理だけど今日、
一緒に籍を入れに行こう。」
囃音さんに白城さんが囁く・・・。
無言でそれを受け入れるように、
囃音さんが頷く・・・。
それが早太さんの望み・・・。
命を捨ててでも叶えたかった願い・・・。
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