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天国でこの光景を早太さんは、
どんな表情で見ているのだろう・・・。
泣いてるのだろうか・・・、
笑ってるのだろうか・・・、
怒ってはいないだろう・・・。
喜んで見ているのは、
間違い無いと思う。
早太さんは囃音さんの幸せを、
一番に考えていたのだから・・・。
この二人の幸せを、
これからも見守り続けてくれるだろう・・・。
生きている間に見せてあげたかった。
そう思ったらまた・・・、
涙が零れてきた・・・。
「クソ・・・、ダメだ・・・、完全に消されてる。
サルベージ出来ないっ!」
凛斗が床を叩いて悔しそうに言う。
「ありがとう・・・。
もう良いのよ東木君。」
囃音さんが涙を拭って、
凛斗に声を掛けて、
「この動画は警察に届けます。」
そう言って囃音さんは笑顔を、
私達に向ける・・・。
「それが一番ですね・・・。」
私は無理矢理な笑顔を作り、
そう答えるのが精一杯だった・・・。
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