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「タナトス・・・、
結論を言おう・・・。
我々には無理だ・・・。
警察の捜査に委ねるしか無い。」
頼みの綱の鏡ちゃんがあっさり言う。
「鏡司・・・、冷たくねえかそれ?」
龍ちゃんがそう言って鏡ちゃんを睨む。
「シヴァよ・・・、
冷たい温かいの話では無いのだ。
俺は客観的事実を言っているのだ。
アイリーン・・・、お前の意見を聞こう。」
「・・・私も守屋と同意見よ。
凛斗の気持ちは解るけど・・・、
私達には捜査権は無いのよ。
警察に任せるしか無いの・・・。」
もう一つの頼みの綱の、
詩夜璃さんまでそんな事を言うなんてっ!
「何も考えないで諦めるのっ?」
僕はイライラしてつい怒鳴ってしまった!
「そこまで言うなら一つ推理してみよう・・・。
田切早太氏が死んで、
誰が得をするのか?
得をする人物は一人しかいない、
田切囃音だ・・・。」
「囃音さんが魔女の訳無いよっ!」
「守屋が言ってるのは、
殺害する動機があるのは、
囃音さんだけだって事なのよ。
でも動機としては弱い・・・。
早太さんは寝たきり状態なのよ、
早太さんの世話をヘルパーさんに任せて、
自分はお母さんの賠償金を使って、
贅沢に暮らす事も出来るのよ。
殺害までする必要は無い事になるわ。」
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