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『何で警察にも無理なの?』
『多分これだけ大掛かりな仕掛けをした理由は、
妹が受ける精神的なショックを、
和らげる為だろうと思う。
殺しと自殺じゃ違うからね~。
殺しなら身内を失った悲しみを、
犯人への怒りと憎しみに変えて、
犯人へ向ける事が出来るけど、
自殺の場合はそうはいかない。
自殺の場合はその悲しみが、
全部自分に向かって来るからね~。
私が気付いてあげてればとか、
私の言動が傷付けてたんじゃ無いか?
っていう風に自分の責任だって、
思い込んじゃうんだ。
真面目で責任感が強い人ほどね。
多分妹はそういうタイプなんだろう。
妹がそうならない為にも、
これだけ大掛かりな仕掛けが必要だったんだよ。』
『それが警察でも捕まえられないのと、
どういう関係があるの?』
『ゴメン!ゴメン!前置きが長すぎたね!
要するにそこまで考えが及ぶ奴は、
必ず警察の動きを予測して、
計画を立ててるからね。
絶対に証拠を残すなんてヘマはしない。
追跡不可能って事さ。』
『でも犯人は早太さんとチャットで、
連絡を取ってるはずだよ?
プロバイダーの履歴を調べたら、
誰と連絡を取り合ってたかは、
警察なら判るんじゃないかな?』
僕は鏡ちゃんが言ってた事を、
そのまま言った。
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