29人が本棚に入れています
本棚に追加
/157ページ
「こんな辛い物食えるかよっ!」
俺はそう怒鳴って箸を囃音に投げ付ける。
「ご、ごめんなさい・・・。
昨日は味がしないって言ってたから、
今日は味付けを濃くしたから。」
怯えた目で俺を見ながら言い訳する囃音を、
「味加減も出来ねえのかお前はっ!」
威圧するように怒鳴り付け、
テーブルに茶碗を叩き付ける。
トンカツに当たったからなのかテーブルの上では割れず、
味噌汁のお椀を倒してから床に落ち、
ガチャンと音を立てて割れた。
「ごめんなさい・・・、作り直しますから。」
目に涙を溜めて、
震える声で言う囃音に、
「待ってられっかよっ!
外で食ってくるっ!」
怒鳴り声でそう言い、
財布の入った上着を掴んで玄関に向かう。
「待って武尊さんっ!待って!」
囃音の声を無視して外に出て、
ドアを閉めた。
ちょっとやり過ぎたかな?
でも恐怖心を植え付けて支配しろって、
アイツの指示だからな。
怒鳴って暴れるくらいはしないとな。
その上で孤立させろとかも言ってたしな。
明日は囃音のスマホのアドレス帳から、
友達の連絡先とか全部消させないとな。
あ~、アイツの指示は本当にめんどくせえ!
気にし過ぎだろ!って言いたくなるぜ。
捜査員かも知れないから、
不審な車両に注意しろとか。
最初のコメントを投稿しよう!