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「ただいま~。」
講義を終え特にやる事も無い私は、
アイスを食べにアジトへ立ち寄った。
守屋がこの前の報酬で、
アイスを大量に買い込んでいたのを、
家に帰る途中で思い出したからだ。
「詩夜璃さんお帰り~。」
「凜斗まだその動画観てるの?」
田切早太さんの最期の動画を観ている、
凛斗へそう声を掛けて冷蔵庫へ向かう私。
「うん・・・、何か気になってさ~。」
バニラアイスを手にリビングに戻った私に、
振り返って凛斗がそう言った。
「魔女の事は警察に任せて、
他の事やんなさいよ~。」
ソファーに座ってアイスの蓋をめくり、
蓋の裏に付いてるアイスをこそげ取りながら、
凛斗に忠告する私。
「警察でも捕まえられないんだってさ。」
「それは誰が言ったの?」
「ネッピーってゲームのフレンドだよ。」
「何の根拠があってそんな事言うのかな?
プロバイダーの通信履歴調べたり、
薬品の入手方法調べたり出来るのに。」
「プロバイダーの方は、
他人のパソコンを乗っ取ったりして、
履歴を調べられてもバレないように出来るし、
薬は闇ルートで買ってるだろうから、
絶対にバレないんだってさ。」
「なるほど・・・、一理あるわね・・・。
でも逮捕されなくても別に困らないわ。
囃音さんは幸せに暮らしてるんだし、
凛斗が気に病む必要ないのよ。」
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