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紆余曲折はありながらも、
何とか無事に朱鷺松へ到着した私達。
そんな私達を土門のお姉さん・・・、
若女将の百合さんが、
丁重にお出迎えをしてくれた。
「本当にこの度は有り難う御座いました。
皆さんの御尽力が無かったら・・・、
一体どうなっていたか・・・。
あ・・・、御免なさいね・・・。
さぁ!どうぞ此方へ・・・。」
そう言って案内されたお部屋には・・・、
デ~ン!と豪勢な船盛が鎮座していたっ!
「うわぁ~っ!スゲーっ!」
歓声を上げる加奈子。
テレビでしか見た事の無い光景に、
言葉を失う私。
「遅いよ~っ!」
かりんとうを抱えながら、
文句を言う摩子・・・。
「お~!とりあえず座ってくれよ!」
にこやかな笑顔で、
私達にそう言ってくれた土門。
とりあえず空いてる席に私達は座った。
「食べる前に・・・、
皆に一言・・・、
御礼を言わせてくれ・・・。
皆・・・、本当にありがとうっ!」
そう言って頭を下げる土門。
「皆が居なかったら俺・・・。」
二言目に入った、
土門の口上を聞きながら、
船盛の大トロをロックオンしたままの私の目。
何とか三切れくらいはゲットせねば・・・。
カリポリと摩子が、
かりんとうを齧る音が響く中、
延々と続く土門の口上に、
『長いわっ!』とツッコミたくなる私。
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