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この子誰?
私達が出てくるのに気付いて、
道を開けてくれたみたいだけど、
柱の影に隠れて何を待ってるのかしら?
もしかして啓介が手を付けちゃった子なのかしら?
社長の品性と人格を疑われる行動は、
慎みなさいとあれ程言ってるのに!
・・・いずれにしても不審者ね。
左手で警備員に排除のサインを出して、
スミス社長の御見送りを続ける。
スミス社長が乗り込んだリムジンが走り出すと、
「ちょっと止めて下さいっ!
触んないでっ!
怪しい者なんかじゃありませんっ!」
玄関の方から、
さっきの子が騒いでる声が聞こえてきた。
「知り合いに会いに来たんですっ!
そこ退いて下さいっ!」
警備員と押し問答を続ける、
その子に目もくれずに啓介は、
玄関ホールの中に入って行った。
啓介とは無関係なのかしら?
じゃあ社員の家族とかなのかしら?
・・・まあどうでも良いわ。
私も無視して中に入ろうとした時、
「あっ!宝陽さんっ!待ってっ!
何処行くんですか宝陽さ~んっ!」
その子が私の名前を呼んだ。
えっ!私なのっ?
改めてその子を見て記憶を辿る。
・・・・・・あ、戸繰の事件の時、
小夜の隣に座ってた子だ!
秘密結社しゅーくりーむのメンバーだ。
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