第６話 神から与えられた権利

それぞれの思惑

「ガハッ！ゲホッゲホッ！ウゥエェッ！ゴホッ！」

椅子(いす)から転(ころ)げ落(お)ちて咳(せ)き込(こ)んでる望月(もちづき)さん！

「ネッピーだよね？僕(ぼく)リンクです！」

望月(もちづき)さん今(いま)、
黒手帳(くろてちょう)って言(い)った！

ネッピーは警察(けいさつ)の事(こと)を、
黒手帳(くろてちょう)ってコメに書(か)いてた！

黒手帳(くろてちょう)なんて言葉(ことば)を使(つか)う人(ひと)なんて、
そんなに居(い)ないはずだよ！

「うるせえっ！違(ちが)う！俺(おれ)じゃ無(ね)えっ！
　俺(おれ)がゲームなんかする訳(わけ)無(ね)えだろがっ！」

望月(もちづき)さんが怒鳴(どな)った！

「何(なん)でゲームって判(わか)るんですか？」

って詩夜璃(しより)さんが聞(き)く。

「うるせえっ！黙(だま)ってろよっ！
　お前(まえ)ら帰(かえ)れっ！
　とっとと帰(かえ)りやがれっ！
　二度(にど)と俺達(おれたち)に近付(ちかづ)くんじゃ無(ね)えぞっ！」

後退(あとずさ)りしながら怒鳴(どな)る望月(もちづき)さん！

絶対(ぜったい)ネッピーだよね？

「どうかしたの望月(もちづき)？」

綺麗(きれい)な女(おんな)の人(ひと)が、
望月(もちづき)さんの側(そば)に来(き)てそう言(い)った。

「何(なん)でもありませんお嬢(じょう)さん！
　この馬鹿共(ばかども)にはキッチリ言(い)っときましたんで、
　早(はや)く帰(かえ)りましょう！
　社長(しゃちょう)の夕食会(ゆうしょくかい)の準備(じゅんび)もありますし！」

その女(おんな)の人(ひと)の腕(うで)を掴(つか)んで、
急(いそ)いで帰(かえ)ろうとする望月(もちづき)さん。

その時(とき)ネッピーのもう一(ひと)つのコメが頭(あたま)に浮(う)かぶ。

『あの人(ひと)は今(いま)の職場(しょくば)の上司(じょうし)だからね。』

もしかして・・・？

僕(ぼく)はダメ元(もと)で言(い)ってみた。

「エリルーさんっ！僕(ぼく)リンクですっ！」