第1話:「伝説の勇者の剣かもしれない」

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狭いのは入り口だけで、中は大きな空洞になっている。 イチモツ「立てる・・・」 中に入ってしまえば、しゃがみ込まなくても立つ事ができた、思いのほか大きいのだ。 入口からわずかに差し込んでくる日の光で、洞窟そのものはそれほど深くない事がわかる。 隠れ家にするにはもってこいだろう。 イチモツは洞窟の中を端から端まで探索してみる。 人が居たような感じはしない。 しかし・・・足に何かがぶつかった。 イチモツ「なんだ?」 硬い棒状のものが地面に突き刺さっているようだ。 イチモツはそれを引き抜いてみることにした。」 イチモツ「うぅ・・・」 それほど深く埋まっているようには思えないが、 土と泥で滑りやすく、引き抜くのが難しい。 イチモツ「よいしょっ」 なんとか引き抜く事が出来た。 硬くて、そして重い・・・、だが暗くてよく見えない。 イチモツ「なんだろう?」 イチモツはそれを持って洞窟の外へ出た。 イチモツ「・・・剣・・・だよな?」 陽のもとにさらされたそれは剣といわれるものだった。 イチモツも文献でしか見たことがない。 魔獣がいなくなってからというもの、世界から武器という武器の生産は急激に減った。 今では刃のついたものなど、農業や一部の狩猟にしか使われない、それだけ世界は平和なのだ。     
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