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狭いのは入り口だけで、中は大きな空洞になっている。
イチモツ「立てる・・・」
中に入ってしまえば、しゃがみ込まなくても立つ事ができた、思いのほか大きいのだ。
入口からわずかに差し込んでくる日の光で、洞窟そのものはそれほど深くない事がわかる。
隠れ家にするにはもってこいだろう。
イチモツは洞窟の中を端から端まで探索してみる。
人が居たような感じはしない。
しかし・・・足に何かがぶつかった。
イチモツ「なんだ?」
硬い棒状のものが地面に突き刺さっているようだ。
イチモツはそれを引き抜いてみることにした。」
イチモツ「うぅ・・・」
それほど深く埋まっているようには思えないが、
土と泥で滑りやすく、引き抜くのが難しい。
イチモツ「よいしょっ」
なんとか引き抜く事が出来た。
硬くて、そして重い・・・、だが暗くてよく見えない。
イチモツ「なんだろう?」
イチモツはそれを持って洞窟の外へ出た。
イチモツ「・・・剣・・・だよな?」
陽のもとにさらされたそれは剣といわれるものだった。
イチモツも文献でしか見たことがない。
魔獣がいなくなってからというもの、世界から武器という武器の生産は急激に減った。
今では刃のついたものなど、農業や一部の狩猟にしか使われない、それだけ世界は平和なのだ。
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