モーニング

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sideM←S (どうしよう)  いつもの水曜日。いつもの、心浮き立つ水曜日。  でも、今日は少し違う。  彼が、すぐ隣にいる。  きっと出張なのだろう、三人連れの自分と似たようなサラリーマンが、いつものあの場所に座って、今も何やら仕事の話をしている。先客によっていつもの場所を追いやられた彼が、少し迷うようにうろついた後、手近な空席、つまり自分の隣りに座ったのだ。  油気なくセットされた髪に、銀色に光る若白髪を一本発見してしまった。それに、今まで気付かなかった煙草の残り香。キャメルのジャケットから出た手首には、テンデンスの腕時計が嵌められている。  トーストとジャム、ブラックコーヒーのシンプルなセットをテーブルに置いて、椅子に腰掛けながら足元に鞄を―― 「おっと……すみません」  思ったよりずっと柔らかい声。  倒れてきた鞄を受け止めた脚が、びくりと跳ねてしまわなかったろうか。 「あ、いえ、大丈夫です」 「今日はホットドッグなんですね」 「え?」 「不躾にすみません。よくお会いするなあ、と思って」 「あの、はい、俺もそう思ってました……」 「朝からよく食べますね」 「うわ、はい、お恥ずかしいです」 「はは、なんで?」 「あれ、はい、俺何言ってんですかね」 終わり
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