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一例を出してみよう。「誰か女子の下の名前を、相手が振り向くまで呼び捨てにする」 つまり「優子ぉっ!」だの「広美ぃっ!」だのを相手が振り向くまで(もちろん教室内で相手にも他の生徒にも)聞こえるように言う。耐性のない中坊にはしんどいが、大人から見れば微笑ましくも見える程度のもの。これが罰ゲームとして狙うラインだ。 そんな感じで腕相撲をお願いしたり、「〇〇さん愛してるーっ!」って声が響いたり、後ろから目隠しして「だ~れだ!」とかいう所業が罰ゲームとして教室で頻発した。まあ、女子は女子で「また男子がバカな遊びをしている」と、クスクス笑いながら、仕方なくも相手をしてくれていた。 大切なのは、それが罰ゲームということです。 すごろくでは相手を指定しなかったし、相手を選ぶのは罰ゲームをはる当人に任せられていたが、別に「好き」だから相手を選ぶワケではない。罰ゲームなのだ。仕方ないのだ。 そしてもちろん、好きな相手だからやるワケでもない。重要なことだからもう一度言うが、罰ゲームなのだ。仕方ないのだ。     
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