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「よし。相馬。勝負しようぜ!」
「だから何度も言っているでしょう。私とあなたが闘えば周りに被害が被ります。それに、戦闘行為を行えば神に選ばれた人間であるとばれてしまいますよ。」
「ごちゃごちゃうるせぇよ。お前はいつも頭で考えすぎなんだよ。ちょっとは体を動かせ。せっかくの魔力が勿体ないぞ。」
相馬と稲森が言っていることは半分正解で半分間違いだ。
実際には、神に選ばれた人間は魔力を貰うことが出来る。だが、それは一時的な物だし、その量は限られている。それ故、ばれる事などは限りなく0に等しい。しかし、神の魔力について詳しい者なら分かる可能性がある。心配性の相馬はその小さな可能性すら消したいのだ。
「しゃーねぇ。今は諦めるが、神の世界に戻ってから勝負だからな!!」
「あーもう。はいはい。もう分かったからもうちょっと声の音量を小さくしてくれ。さっきから目立ち過ぎだ。」
相馬に言われて稲森が周りを見ると、確かに稲森と相馬の周りに人が集まってきていた。会話のやり取りが面白いのか、笑っている者もいた。
そして、周りにいるのは、第一魔法科高等学校の一年生の生徒たちであり、相馬や稲森の同級生だ。
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「おい!あいつら神に選ばれた人間だってよ。」
「マジかよ。相馬はともかく、稲森も選ばれるなんて神の目もついにおかしくなったか。」
周りでこそこそと話されているが、本当にそれで聞こえていないと思っているのだろうか。
「あんな文句ばっかり言っても何にも変わらないのにな。お前もそう思うだろ?」
稲森はきっと相馬も呆れているだろうと思って相馬の方へ目をやった。しかし、相馬は黙って下を向いていた。不思議に思いもう一度話しかけると、
「あいつら……我らの神を侮辱しやがって……」
下を向いて怒っていた。相馬は普段冷静だが、このように神を侮辱する行動や言動を行うと取り返しがつかなくなる。
「おい。貴様ら。今何と言った?返答次第ではただではすまさんぞ。」
「おいおい。錬金術使いが何言ってんだ?錬金術使いが神に選ばれた人間になっても何も変わらないだろうが。」
「あぁ?言ったなコラ。やってやるよ。」
今日も静かな日にはならないようだ。
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