一章

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「そんなに殺されてぇのなら殺してやるよ。」 そう言いながら、魔法を発動させようとする相馬。 「はっ。錬金術みたいな時間のかかる魔法なんざ受ける前に壊してやるよ!」 この生徒の言っている通り、普通なら錬金術は発動するのに時間がかかる。…………そう。普通なら。普通なら10分はかかるはずの魔法を相馬は3分程で完成させる。 「……!?」 生徒は一瞬、何が起こったのか分からない様だった。反応速度が遅れた生徒は相馬によって作り出されたゴーレムによって吹き飛ばされた。 ゴーレムといっても、石で出来たゴーレムではなく、金で出来たゴーレムである。それ故、ダメージは大きいはず。 「あっぶね~。いきなりくるから一瞬ビビったぜ!」 そう言いながら近づいて来る生徒の全身は炎で覆われていた。言うまでもなく、火属性の魔法だろう。生徒の周りには無数の火の玉がある。 生徒が最後の言葉を発すると共に無数の火の玉が相馬に向かって飛んでくる。その防御のためにゴーレムは火の玉の行く手に立ち塞がる。 しかし、ゴーレムはあっけなく火の玉によって溶かされる。 そして、火の玉は相馬に向かって飛び続ける。 「っ!?…………少しは出来るようだな。だが、そんな火の玉では俺の事を倒すだぁ?調子に乗ってんじゃねーよ。」 「はっ。負け惜しみか?もう降参しろよ!降参しないなら燃えカスになっちまえ!!」 「負け惜しみでもねぇし、燃えカスにもならねぇよ。だから言ってるだろ。調子に乗るなって。」 相馬はそう言い終わると、体を宙に浮かせた。そして、火の玉を避けることができる最低限の飛行で浮遊する。 またしても、生徒は固まっていた。訳が分からなくて混乱しているのだろう。 少しして、生徒が聞いてきた。独り言の様に。 「何でてめぇみたいなやつが二つも魔法を使えるんだよ!! 俺の……俺だけの……俺は特別な存在なんだ。てめぇみたいな最近に神に認められた人間とは違うんだァァァァァァァァァ!!!」 急に生徒が叫び出したと思えば、次は生徒の全身が人間ではないものに変わりつつある。半身が炎で覆われていて、半身は水で覆われている。 「サァ、決着ヲつけよウ」 人の声と機械音が混ざった様な声で生徒はそう言った。
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