プロローグ

2/4
前へ
/498ページ
次へ
   目を覚ますと、石組の天井が目に入る。  天井だけじゃなく、床も三方の壁も石組だったりして窓もない。明かりは、壁の小さなランプだけ。そして、残った一面の壁には扉付き鉄格子。てか、鉄格子は壁じゃないよね。  その状況を整理すると、私がいるのは牢屋の中って事になる。  えっ、何で?  私、何か悪い事した?  でも、すぐに思い出す。 「そっか、私はここで暮らすんだった」  ここは、あるお屋敷の地下にある牢屋。いわゆる、地下牢ってやつ。  ここは先代だか先々代の、御当主の趣味で作られたらしい。そこに、私は押し込められてしまった。でも、その地下牢に鍵はかけられていない。あくまでも地下牢を、私の部屋として提供してもらったんだった。  そう、私はこのお屋敷に居候する。 「でも、何でこうなったの?」    私のキャンパスライフは、こんな奇妙な場所を拠点としなければならなくなった。
/498ページ

最初のコメントを投稿しよう!

105人が本棚に入れています
本棚に追加