Chapter1

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   でも、それだけじゃない。  中三の時。男子のクラスメイトが、女子の可愛さランキングを勝手に作った。  私は、九番目。つまり、真ん中。 「橋本って普通な顔だから、真ん中が丁度良いよな」 「てか、ミス平均値って感じじゃね」 「ミス、ナンバー9だな」  真ん中。  真ん中。  真ん中。  真ん中。  失礼極まりないアダ名。  そのランキングを作成した男子の一人が、同じ高校に進学し同じクラスになった。お陰で、高校でも同じアダ名は引き継がれる事になる。  もう、真ん中なんて言われたく無いのに。  そして、大学に進学。  最初は、就職するつもりだった。  中高の男子と関わりにならないよう、社会に出て頑張って働いて。「真ん中」とは、言われない女になりたい。 「歌帆、考えてもみろ。この不景気の世の中で、高卒女性が真ん中より上を目指すのは並みじゃないぞ」
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