Chapter1

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   父さんに、そう説得された。  確かに、そうなのかも……  考えたら父さんは、二流の大学を卒業して。一流企業の傘下の会社に就職。絵に書いたような、中流家庭を作り上げた。それが、悪い訳じゃないよ。  ただ私の真ん中人生は、父さんの遺伝の気がしてきた。  それで、大学への進学を決意したんだ。  御門学園大学。  小学校から大学まで、一貫教育のエスカレーターの学校で。世間的には知られていないけど、この大学の就職率は百パーセント。  だから、この学園を選んだ。大学に行き、卒業して就職浪人になりたくなかったから。  受験してみたら、運良く合格した。  この学園は、酷く特殊だ。  瀬戸内海に浮かぶ島々の中でも、中規模の島に学園はあった。ううん、島全体が学園の敷地で。生徒は、島内の寮に生活している。  今日は、書類の提出と寮の部屋の鍵を貰いに。受験以来、久々に島へと渡った。
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