episode251 天宮和樹はまた振り出しに戻る

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そして本当にあっという間もなく扉を開いた。 ドアの角でごつんと頭を打ったキマイラが 目の色を変えて吠えたてる。 「ああ、ごめんごめん」 九条さんは僕を背中に庇うようにして 部屋から一歩歩み出ると 「そんなに無駄吠えしちゃダメだ。君は血統のいい御曹司だろ?」 明らかに犬相手ではない目線で言い放つ。 貴公子の先制攻撃に さすがに目を丸くしたのは征司の方だった。 「座れ」 それでも悠然と 赤い首輪を引いて怪物を黙らせると。 「家に侵入した不審者がいるようだ」 視線は九条さんを通り越し僕の上に注がれる。
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