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ガッチリと抑えられてしまうと、身動きが取れなくなってしまう。
こんな奴に、言われた通りに着いて行く訳には行かない。
下手をすれば、数人がかりで強姦されかねない。
高校入学した途端に、妊娠発覚で退学とか…十二分にあり得る話だ。
「いや…マジで…他に約束あんだよ。また別の日にしてよ。」
必死に一君の身体を押し返そうと、両手で突き放すように抵抗する。
「あ!?お前、いつもそればっかじゃねえかよ!なら、いつ付き合うんだよ!?」
「いや…それは…」
「減るもんじゃなし。良いだろが。良いから来いよ。」
肩から腰に手を回され、強引に何処かに連れて行かれそうになる。
クソッ…街中で平然と人を浚う気かよ?
誰か助けろよ!
そう思いながら、それでも必死に抵抗していた時だった。
「邪魔だ。どけ。」
歩道でごちゃごちゃ揉めていたせいか、私達の背後から、そう声が掛かった。
「あ!?」
すぐに背後を振り返り、一君が背後から声を掛けて来た男の子に凄みを効かす。
その男の子は、私達と同年代くらいの、この辺りじゃ見掛けない知らないコだった。
スラリと伸びた手足と、整った顔の造りが印象的だが、はっきり目付きが悪い。
まるで、世の中全てを恨んでいるような、荒んだ目付きで私達を睨んでいた。
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