再会

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再会

 彼…平野っちとの再会は、高校の入学式の日だった。  入学式が終わり、指定された教室に入ると、一番後ろの窓際の席で、あの日と同じような目付きで、つまらなそうに校庭を眺めるように席に座った彼がいた。  嘘!?マジで!?同じ高校来たんだ!?  と、思わず胸が高鳴ってしまう。  夏見の話しだと、家庭環境に問題があるとかで、いつも喧嘩ばっかりしているらしく、彼の地元じゃ一君なんて問題にならない程の有名人だとか…  ただ、私も夏見も地元が一駅離れているため、それ以上の詳細は夏見も知らなかった。  そうだ!あの時のお礼言わなきゃ!  と、思わず駆け寄って話し掛けてみる。 「あの!平野…君だよね?この前助けてくれた…」  そう言う私をチラリと確認するが、平野っちはすぐにまた、無言で窓の外に視線を戻してしまう。  なんだコイツ!?  こんな可愛いコが話し掛けてんのに、無愛想じゃね!?  そう思うが、口には出さない。  何とか接点を持とうと、必死に話し掛ける。 「あの!アタシ、美妃!杉山美妃!あの時はありがとう!あの後大丈夫だった!?一君に仕返しされてない!?」  しかし、平野っちはもうこちらも見ないで、完全にシカトを決め込んでいる。
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