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そんな私達の様子を、新たなクラスメイト達が、遠巻きに見ている。
やはり、かなりの有名人らしく、誰も近付いて来ない。
相当、恐れられてるらしい。
でも…私は出会いの時に助けられたせいか、そんなに怖く思えなかった。
あの、誰も逆らえなかった一君から助けてくれたんだ。
私には、白馬に乗った王子様のように見えていた。
だから、相変わらずシカトされているが、それでも構わず話し掛けた。
「ねぇ!?お礼言ってんだからさ!なんか話してよ!」
私がそう詰め寄ると、平野っちは突然スクッと立ち上がった。
教室がざわつく。
私が平野っちを怒らせたと思ったようだ。
今にも暴れ出すんじゃないかと、教室に緊張感が走る。
が…平野っちは、鞄を持ってスタスタと歩き出した。
「…ちょっと!?何処行くの!?」
慌てて、平野っちの袖を掴んで引き留めると、平野っちはピタリと足を止めてようやく私の事を見てくれた。
「…誰だお前は?帰るんだから離せ。」
再会第一声がそれだった。
自己紹介したのに…酷すぎる。
「…誰って…さっき言ったじゃん。杉山美妃だよ。この前、助けて貰った…」
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