再会

3/3
前へ
/18ページ
次へ
 そう言う私を、平野っちはまるで興味が無さそうに、冷たく見詰めてくる。  背筋がゾクゾクしてしまう。  ヤベー!超クール!超カッケー!  抱きしめられたら、そのまま落ちそう!  そんな感想を持っていたのだが…  平野っちは、僅かに首を傾げると、小さく無愛想に口を開いた。 「…知らん。人違いだろ。」  言って、私の手を振りほどくと、そのままスタスタと教室から出て行ってしまった。 「美妃!ヤバいって!」  呆然と見送る私に、同じ中学から進学してきた友人の沙織が声を掛けてくる。 「アイツに関わると、ロクな事にならないよ!犯されて殺されちゃうかも!」  そう、沙織は必死に忠告してくるが、私は教室中に聞こえるように大声を張り上げた。 「誰か!?雀二中から来た人いないの!?平野君…平野っちの事教えて!何でも良いから!」  言って、教室中を見回す私を、沙織が呆れて頭を抱えていた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加