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そう言う私を、平野っちはまるで興味が無さそうに、冷たく見詰めてくる。
背筋がゾクゾクしてしまう。
ヤベー!超クール!超カッケー!
抱きしめられたら、そのまま落ちそう!
そんな感想を持っていたのだが…
平野っちは、僅かに首を傾げると、小さく無愛想に口を開いた。
「…知らん。人違いだろ。」
言って、私の手を振りほどくと、そのままスタスタと教室から出て行ってしまった。
「美妃!ヤバいって!」
呆然と見送る私に、同じ中学から進学してきた友人の沙織が声を掛けてくる。
「アイツに関わると、ロクな事にならないよ!犯されて殺されちゃうかも!」
そう、沙織は必死に忠告してくるが、私は教室中に聞こえるように大声を張り上げた。
「誰か!?雀二中から来た人いないの!?平野君…平野っちの事教えて!何でも良いから!」
言って、教室中を見回す私を、沙織が呆れて頭を抱えていた。
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