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告白
「別に良いけど、お前らは奴を誤解してるぞ。」
そう言って、平野っちの事を教えてくれたのは、彼と同じ雀二中から来た原田健二と言う男の子だった。
原田っちの話しだと、平野っちの家は両親が離婚していて、母子家庭だと言う話だった。
お父さんが酷い暴力を振るう人で、平野っちが小学校低学年の時に離婚したのだとか…
それ以来、お母さんは水商売をしながら、女手一つで平野っちと妹さんを育てたのだとか…
怒らすと、それこそ手が付けられない程暴れ出す彼だが、滅多な事じゃ怒らないとか…
「奴が暴れるのは、喧嘩を売られた時か、お袋さんや妹を馬鹿にされたり、苛められた時だけだよ。散々喧嘩してきたのに、まともな処分も受けないで高校進学してるんだから解るだろ?聞けば必ず相手に非がある。そんな時だけ。それに、お袋さんが親父さんに殴られてるのを見てきたからか、女を殴った事も無いよ。」
そう聞いて、思わず飛び上がってしまう。
「ほら!ほらほらほら!沙織っち、聞いた!?やっぱり王子様じゃん!」
そんな話を聞いても、沙織っちは半信半疑の表情だが…
「この前も、私が困ってたから、助けてくれたんだよ!絶対そうだよ!」
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