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【異喰監】前編
いつもの坂道を友達と登り学校へ行く。この坂道が毎日面倒くさい。まぁ、坂の上には学校しかないから皆んな同じ気持ちかもしれないが。
校舎へ入り自分の机に座る。俺はふと前の席を見ると、黒いモヤのような物が前の席に覆いかぶさっていることに気づく。
また、被害者が出る。
"次こそは絶対に解決する"
俺は『市立イゾララディーチェ第Ⅳ中学校』に通う、中学2年生の男子だ。
この中学校は山の頂上付近にあり毎日坂道を歩いて登校しなければならない。
何の変哲も無い普通の学校だが、毎日不可解な出来事が起こる。人が消えたり、校舎が壊されていたりとただの子供のイタズラにも思えてしまう事ばかりだ。そんな不可解な出来事を俺こと『毛利 裕』が解決するのだが、今回ばかりは簡単にはいかなそうだ...。
「毛利、おはよう」
「おう、おはよう。今日もギリギリだな」
「間に合ってんだからいいじゃねぇか。それよりも、お前の前の席」
「あー、この席がどうしたんだ?」
「その席の生徒今日からやっと登校するみたいだぜ」
「へぇ~...女の子だっけ?」
「あぁ、なんか何かしらの体質の影響で2年に上がってからこの夏まで来られなかったらしいぜ」
「体質? 何だろうな」
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