8・リュウ

6/6
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「夢!?夢ですか!?」 今後、付喪神と話す機会なんてないであろう私は食いついた。 『……はい……タンクに描かれている翼のマーク……空を飛ぶ象徴ですから、いつか空を飛びたいと思いました……それが叶ったのです……』 壮大すぎる夢だ……。というか空を飛んだ?? 『さぁ、キョウ、リュウ……私と一緒に参りましょう……』 キョウ君とリュウ君は号泣だ。……え!? 『仮にも付喪神という、神という名を持つ私の最後の力です……一番輝いていた時の姿になりましょう……』 なんと付喪神はアップハンドルの絞りハン、黒地に白ラインの三段シートにエビテール、それにロケットカール、さらに切断マフラー……ふと横を見ると、キョウ君は坊主の鬼ゾリに白い特攻服に変わり、リュウ君は……そのままだった……。 『伝説のキョウさんだ!!』 『おぅ!行こうぜ!ピリオドの向こうへ!!』 二人は族車仕様のCBXに跨り、空へと走り抜けて行った……しかも某ネズミのマーチのコールを響かせて…… 「うるせーし、もったいねぇーーー!!」 つい素で叫んでしまった……。余談だが、この時のコール音は歴代の不安斗夢(ファントム)メンバー全員に聞こえたらしく、伝説の男がまた伝説を作ったと大変騒がれた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!