9・最初の男、タク

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『雪も解けたし、先日の大雨で山から川へ流れたんじゃないでしょうか……?とにかく秋だけでなくこの時期も見かけることはあります……』 そうか、売っている胡桃しか食べたことがなかったけど、山には自生しているんだな……。 『俺は足元を見て歩くことの方が少ないです……親方達が話しかけてくれた時に、リュウのバイクの音が聞こえて来ました……真っ直ぐの道だし、と思っていたので胡桃がたくさんあることに気付きませんでした…… そして俺が胡桃を踏むと同時に、リュウもたくさんの胡桃に巻き込まれました……胡桃を踏んで後ろに転びそうになりつつも、なんとか踏ん張りました……が、リュウがバイクごと突っ込んで来て、俺の体をジャンプ台にするようにバイクが走って行きました……さすがに耐えきれず、転んだ拍子に縁石に頭をぶつけて死んでしまいました……』 あぁ……CBXが飛んだってこのことか……。 「なんて言葉をかけていいのやら……」 私は返答に困ってしまった。
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