9・最初の男、タク

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後日、私は霊視を頼んできた人達に事の顛末を伝えた。 ほとんどの人が「そんな馬鹿な……」と口にし、私は嘘つき呼ばわりされてしまった。 しかし、田中さんの家に牡蠣を送ったという親戚や、田中さんの前に灯油の配達に行ったお宅で、灯油が地面に滴っていたと目撃した住民がいた。 営業マンの彼はアポの確認が取れたし、ロードバイクの彼もいつもこの辺を走っているのが確認された。 遠足も散歩も確認され、塗装屋の予定表も間違いはなかった。 ヤンママも日課の散歩だったし、鈴木さんと高橋さんもその日会うと言っていたことが証言された。 全てはタク君とハッシーが原因となってしまった、偶然が重なった痛ましい事件だったのだ。 その後、私は有名になってしまい、しばらく忙しい日々が続いた。 その話はまたどこかで話そうと思う。 ~完~
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