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9・最初の男、タク
他の人には聞こえないであろう爆音で耳がキーンとする。私もバイク乗りだったが……はっきり言おう、興奮した。ただし族車仕様の方にではない。
おっと、浮かれている場合ではない。タク君を探さねば……。意識を集中させると、近くの縁石に座っている30代~40代くらいの男が現れた。
今回の事件の被害者か?そんな人は聞いていないが……
さらに集中する。縁石に座っている中年の男性がこちらを見ているがまずはタク君が先だ。しかし現れない……。
「タク君……タク君はいますか……?」
声に出してタク君を探す。
『……はい、俺がタクです……』
中年の男が立ち上がった。身長170センチ程の私が見上げる背の高さ。2メートルはあろうかという身の丈と、何をやったらそんなに付くのかと思うほどの筋肉。
「え!?あの、私はここで亡くなった高校生のタク君を探しているのですが……」
『……ですから俺が「歩くラオウ」と呼ばれるタクです……リュウと同じ17歳です……』
17歳!?でも確かに顔も髪型もラオウに似ている……。
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