つわものどもがゆめのあと

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つわものどもがゆめのあと

望み通り、吉継の首は隠し通された。 五助の言葉の通り、彼の命と引き換えに。 あの死に様を以て、五助の忠義を以てしては、心動かぬ者は居なかったと云う事だろうか。 だが、それでも吉継がその最期の瞬間まで願った事は、ついぞ叶わぬ。 三成は斬首された。あの日、敗走中に捕らえられたのだった。 三成は、その最期まで諦める事は無かったようだが、結局は。 そうして。 金吾──… 小早川秀秋は、狂死した。と云われている。あの合戦の二年後の事だ。 その意味するところは、誰にも分からぬ。 ただ、誰もが大谷刑部の呪いだと囁きあっただけだ。 雨は、今も降る。霧、も立ち込める。あの日のように。 だが、今はもう、そこには誰も居ない。
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