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おにぎりころころ
2018年 6月18日。
朝の食卓で…
オレの日課としては、朝は流し台で飯を喰らう。
今日もいつもと変わらない。
LDKではなく、DKといった感じで6畳ほどの広さがある。
すると、いきなりおにぎりがオレの左手から零れ落ちたのだ。
『…なぜ…』
その時、もう揺れていた。
オレは逃げ惑う事もなく、転がろうとするオレ特製のおにぎりを掴み取った。
『…逃がさねえ…』
そこそこ大きな地震なのに、オレはかなりの余裕だ。
だが、この揺れは体験済みだ。
阪神淡路大震災。
これは当時オレの住んでいたおんぼろアパートで体験した。
家の古さから言えば、よく壊れなかったなと思っていた。
今住んでいる家は持ち家で、築20年といったところだ。
少々建て付けが悪くなっている部分も出てきた。
大震災後に建った家なので、屋根は当然、瓦葺ではなくスレートだ。
そのおかげで夏は暑い。
いつも椅子代わりにしている低い脚立にオレは座ったままだ。
猛烈な音が中でも外でも起こっているようだ。
だがそれはすぐに止んだ。
そして、笑顔の近所挨拶と被災自慢のやりとりを二階の出窓から嘲笑しながら見てから、
誰もいなくなった事を確認して、外回りを確認した。
何も壊れてはいない。
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