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「つーか、中学までは普通の共学に通ってたのに何でまた男子校なんかに・・・。」
「?梓様に会いたいからではないのですか?」
「絶対違う。・・・もしやまーくん、姉ちゃんに染められたか?」
梓は腐女子の姉のことを思い浮かべ、ため息を吐く。
彼にBL漫画を読ませたり朗読したりしていたのだ。
実の息子にそれ以上のことをしていてもおかしくはない。
そんなことを考え、梓は更に胃が痛くなった。
「大丈夫ですか、梓様。」
「大丈夫。・・・とりあえず、真紘は敬語と様付けやめろ。まーくんがよろ「やっほー、あーちゃんとまひろん!!来ちゃった!!」・・・あぁ、やっぱり。嫌な予感したんだよ・・・。」
「腐っ腐っ腐っ!!俺の腐センサーを舐めてもらっちゃ困る!!で!?あーちゃんとまひろんはどっちがどっちなの!?やっぱり王道な美形×平凡!?幼馴染な上に下剋上CPとか最高すぎだよね!!」
義兄である雅也によく似た爽やかなイケメンの口から出る姉みたいな言葉を聞いた瞬間、梓は全てを悟った。
“あぁ、可愛かった天使は姉と同類になってしまった”、と。
「・・・はぁ。まーくんさえも腐ってしまった。」
「母さんのあの教育を受けて腐男子にならなかったあーちゃんって、何気すごいよね。」
「それ褒めてんの?」
「褒めてる褒めてる!!」
本当かなぁ。と梓が訝しげに雅飛を見ると、雅飛はニコッと笑いかけてきた。
その笑顔を見て、まぁいいか。と思う梓は本当にチョロい。
甥バカである。
「・・・さてと!!あーちゃんに挨拶し終わったし、校内探検してくるね!!」
「迷子になるなよ。」
「大丈夫大丈夫!!」
バイバーイと手を振って、雅飛は理事長室から出て行く。
台風のような彼が去った後、理事長室には暫し沈黙が流れた。
「・・・大丈夫ですか、あれ。」
「俺は知らない。」
2年後、雅飛を巡って争いが勃発することになるのだが、梓達は何も知らなかった。
Next→王道学園なんて最高すぎだが俺は総受けじゃない!!(?)
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