幽霊による殺人も計画的に

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 私、吉村沙々(よしむらささ)は、昔から霊が見える。霊感体質というやつだ。  小さい頃からジロジロ見られたり話しかけられたりして、私は苛々することが多かった。苛々するあまり、わざわざ私の目の前に現れては通行の邪魔をする霊には、「邪魔邪魔。しっしっ」と手で払う仕草をしたり、周りに人がいるにもかかわらず、他の人には見えないのをいいことに無遠慮に話しかけてくる霊には、「人前で話しかけんなっつってんだろーがー!」と叫びながら、周囲からすれば何もないところに塩をぶちまけたりと、いろいろしてきた。  そのおかげで私は、高校三年生となった今でも近所では有名な変人扱い。このままでは就職出来ないかもしれない! という不安を感じるようになったある夏の日。それは起きた。  夜中、眠っているときに金縛りにかかったのだ。今までも霊の悪戯で金縛りを体験したことは何度かあったので、今日もそんな感じだろうと思っていた。意識はこれでもかというくらいにはっきりしているにもかかわらず、何も出来ずに朝を待った。  そして朝になり、いつまで経っても起きてこない私を起こしにやってきたお母さんが、目を開けたまま微動だにしない私を見ては慌ててお父さんを呼び、そのまま私はその状態のまま救急車に乗せられ、病院に運ばれてしまう。 (ちょっと待て! 何この展開っ! こんな大事(おおごと)になんて、今まで一度もっ)  救急車から運び出された私は目をギランッと開けたまま、パニックになっている。焦りから目を左右上下にあちこち動かしたいところだけど、それすらも出来なくてもどかしい。  そのとき、突然身体に異変を感じる。私の中に私じゃない誰かがいるような、見られているような。
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